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社説・コラム

『この人』 第62代山口県議会議長に就任した 畑原基成さん 

政府と太いパイプ 活用

 「戦後70年の節目に、近代日本の礎となった維新発祥の地で議長に選ばれた。身が引き締まる思いだ」。議長選後の議場でのあいさつで、よどみなく言葉をつないだ。

 早くから「将来の議長候補」と目された。建設会社経営の傍ら1989年から自民党山口県連で青年部長を務め、後に県政史上最長の12年間議長を務めた故島田明氏に見いだされた。旧山口県錦町長を経て、99年に44歳で県議初当選。「父親のような存在」と慕い、同年議長に就任した島田氏を若手のリーダーとして支え、党県連や県議会での存在感を高めた。2013年から2年間、副議長。同僚県議は「若手の面倒見が良く、安定感がある」と評価する。

 安倍晋三首相や菅義偉官房長官たちとは地元岩国市の米海兵隊岩国基地をめぐり、携帯電話でやりとりする間柄。防衛省が本年度から山口県に払う新たな交付金では、「5年間で100億円規模」での創設を強く働き掛けた。

 その岩国基地には在日米軍再編に伴って17年ごろに米空母艦載機部隊の移転が予定されるなど、県議会が判断を迫られる政策課題が山積する。「安心安全の確保を重視し、地域の声を聞きながら議論を重ねる。必要なら国に意見していく」と語る。

 座右の銘は、史記の中の言葉「桃李成蹊(とうりせいけい)」。徳がある人の所には自然と人々が集まるとの意味で、「自分もそんな存在でありたい」と思いを込める。趣味はゴルフで、高校では柔道、専門学校では中国武術をたしなんだスポーツマン。岩国市錦町で妻、長男と3人で暮らす。(村田拓也)

(2015年5月12日朝刊掲載)

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