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会議後半 早くも対立 核保有国 廃絶期限検討に反発 NPT

 米ニューヨークの国連本部で開かれているNPT再検討会議は11日、4週間の会期後半に入った。主要3委員会が示した素案を基に、最終文書作成へ向けた議論を本格化。第1委員会(核軍縮)では、核兵器の非人道性を理由に廃絶の期限を区切った法的枠組みづくりの検討を促す内容に、核兵器保有国が早くも反発した。(ニューヨーク発 田中美千子)

 素案は、近年の非人道性に関する認識の広がりに言及。3度にわたる国際会議で核爆発の影響について新たな情報が示された点や、核兵器禁止への努力を誓ったオーストリアの文書に多くの国が賛同した点を「歓迎する」とした。核軍縮のペースの遅さも指摘している。

 これに対し、フランスは「核兵器がもたらす結果についての新情報など、ここ何十年もない。一部の国でしかない立場を『歓迎する』という表現も受け入れられない」と強調。米国は「廃絶に期限は設けられない。安全保障環境などが整う必要がある」と訴えた。また普段から主張する「段階的な核軍縮」による成果に、素案が触れていないことにも不満を表した。

 一方、非保有国は非人道性をめぐる表現を強化するよう相次ぎ主張した。この日は、法的枠組みづくりを取り上げた部分を主な議題にした非公開の協議もあり、出席者によると同様に保有国と非保有国の主張がぶつかりあったという。

(2015年5月13日朝刊掲載)

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