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「東友会」墓参団が慰霊 20年ぶり広島 本川小で献花

 被爆70年に合わせ、東京の被爆者団体「東友会」の墓参団(19人)が広島市を訪れている。20年ぶり3回目。13日は井手口章造さん(85)=東京都葛飾区=の母校、広島市中区の本川小で慰霊碑に花を手向けた。

 一行は70~90歳代の広島、長崎の被爆者13人と親族たち6人。400人以上が被爆死した本川小(当時本川国民学校)では敷地内の慰霊碑に献花、黙とう後、平和資料館を見学した。

 原爆投下の前年に卒業し、爆心地から約3キロの工場で被爆した井手口さんは車いすで参加。戦後は東京に移り住み、広島を訪れる機会も少なかったといい、涙ぐみながら無言で慰霊碑に花を手向けた。被爆時のことは「今も思い出すとつらくなる」。71年ぶりに訪れた母校の様子に「何もかも大きく変わったが、それは良いこと。平和な世の中になった」と語った。

 東友会の墓参団が広島を訪れたのは1970年、95年の2回。今回は12日に広島入りし、放射線影響研究所(南区)などを見学した。14日は市役所で松井一実市長と面会後、平和記念公園(中区)を訪れる。大岩孝平代表理事(83)=三鷹市=は「被爆者は高齢になり、今回が最後と思って参加した人も多い。東京でも平和を訴え続けたい」と話した。(和多正憲)

(2015年5月14日朝刊掲載)

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