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岸田氏「記載へ全力」 NPT素案「広島・長崎訪問」削除

 岸田文雄外相(広島1区)は13日、核拡散防止条約(NPT)再検討会議の最終文書素案の改定版から、世界の指導者に被爆地訪問を要請する記述が削除されたことについて「私自身が先頭に立ち、(最終文書に)わが国の主張が盛り込まれるよう全力で取り組む」と述べた。

 省内で記者団の取材に応じた。岸田氏は、指導者の広島、長崎への訪問を「核兵器のない世界をつくる機運を盛り上げるために大変重要なことだ」と強調。外務省幹部に対し、被爆地訪問要請の記述の記載に向け、全力を尽くすよう指示したことを明らかにした。

 具体的な各国への働き掛けや、削除を求めた中国側の主張に対する見解については「詳細は控える」と述べるにとどめた。

 菅義偉官房長官は同日の記者会見で、「被爆地訪問の提案は歴史問題と関係がない。理解に苦しむ」と述べた。被爆地訪問を提案する意義については「核兵器のない世界に向けた思いを共有することは、核軍縮・不拡散の推進に資する」と強調した。(城戸収)

(2015年5月14日朝刊掲載)

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