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カストロ前議長と会談写真を公開 岸田氏キューバ訪問時

 外務省は13日、日本の外相として初めてキューバを訪問した岸田文雄外相とフィデル・カストロ前国家評議会議長の会談写真を公開した。両氏は2日夕(日本時間3日午前)、首都ハバナにある前議長の自宅で会い、核兵器がもたらす悲惨さなどを語り合った。前議長の家族が撮影し、外務省に提供した。

 1959年のキューバ革命の指導者であるカストロ前議長は現在88歳。健康不安説が流れる中、その動静には世界のメディアが注目しており、公開された写真は最新の様子を伝える。岸田氏によると、約45分間の会談は前議長が主にしゃべり、2003年の広島訪問にも触れた。帰り際にはいすから立ち上がり、岸田氏を見送ったという。

 前議長は08年に引退し、大臣級の海外要人と会うのは異例。米国と旧ソ連の対立で核戦争への緊張が高まった62年の「キューバ危機」の当事者の一人として核兵器廃絶に関心が高く、岸田氏が被爆地の広島選出の議員だったことが会談実現の一因になったとみられる。(藤村潤平)

(2015年5月14日朝刊掲載)

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