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被爆2世 健診1万人 放影研2巡目 高血圧や糖尿病増

 放射線影響研究所(広島市南区、放影研)が被爆2世を対象に2010年から続けている2巡目の健診の受診者が、目標の1万人に達した。14日、放影研であった第三者委員会「被爆2世臨床調査科学倫理委員会」の第5回会合で報告された。

 健診は、2世の生活習慣病などを調べ、親の被爆との関連性を解明する狙いで、ことし3月までに約1万200人が協力した。受診率は77・2%で、目標の80%をほぼ達成した。

 このうち、13年までの受診者7575人(平均56・2歳)の健診データを予備集計したところ、高血圧と高LDLコレステロール血症、糖尿病の有病率が、1巡目(02~06年)より増えていた。委員長の島尾忠男・結核予防会顧問は委員会後の記者会見で「加齢のためか、親の被爆など他の影響かは、現段階では分からない」と述べた。狭心症、心筋梗塞、脳卒中の有病率は、依然として低かった。

 2巡目健診は、追加の希望者が相次いだため予定より約1年延長し、ことし10月まで実施する。結果を来年秋ごろ集計する計画という。(馬場洋太)

(2015年5月15日朝刊掲載)

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