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区域外「黒い雨」相談を 広島県・市 巡回始める

 広島原爆の投下後に降った「黒い雨」に国の援護対象区域外で遭い、健康不安を持つ住民向けの本年度巡回相談会が14日、広島市安佐北区総合福祉センターで始まった。来年2月まで、市内と広島県安芸太田町で計10回ある。

 初日は14人が訪れ、「親類は大丈夫なのに自分だけ血圧が高い」「これまでに心筋梗塞を2回やった」などと不調を訴えた。保健師3人、臨床心理士2人、医師2人が応じた。

 原爆投下時、現在の同県坂町に住んでいた安佐北区の農業女性(73)は、甲状腺がんの手術もしたという。「将来に不安が募る中、相談で胸のうちをはき出せてよかった」と話した。

 黒い雨被害に対する国の援護拡大を求める集団訴訟の動きがある中、別の相談者からは「相談よりも、被爆者健康手帳の交付を」と願う声も挙がった。

 厚生労働省の委託を受けて県と市が開催し3年目。相談者は2013年度の261人から14年度は138人に減った。市はことしから、市民を対象に、各地域の集会所に複数人が集まれる場合、保健師を派遣する訪問相談も始める。市原爆被害対策部は「巡回相談の場所が遠いとの声もあり、よりきめ細かく相談に乗っていきたい」としている。

 巡回相談会や訪問相談は事前の予約が必要。市原爆被害対策部Tel082(504)2613=平日午前9時~午後5時。(菊本孟)

<巡回相談会の会場と日程>

開催日    予約締め切り 会場
 6月11日  5月28日 安佐南区総合福祉センター
 7月 9日  6月25日 湯来南公民館(佐伯区)
 8月20日  8月 5日 安佐公民館(安佐北区)
 9月10日  8月27日 安公民館(安佐南区)
10月22日 10月 8日 川・森・文化・交流センター(安芸太田町)
11月12日 10月29日 安佐南区総合福祉センター
12月10日 11月26日 佐伯区役所別館
 1月14日 12月24日 安芸区総合福祉センター
 2月18日  2月 4日 安佐北区総合福祉センター

※いずれも時間は午後1~5時

(2015年5月15日朝刊掲載)

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