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武器使用「基準明確に」 安保法制閣議決定 呉・江田島の隊員 任務変化 懸念も

 海上自衛隊の基地を抱える呉市や第1術科学校がある江田島市の隊員は14日、集団的自衛権の行使を可能にする新たな安全保障関連法案の閣議決定をさまざまな思いで受け止めた。「任務に従う」など前向きに捉えつつ、歯止めや武器使用基準の明確化を願う声もあった。

 早朝の呉基地(昭和町)周辺。40代男性隊員は「言われたことをするだけ。それで飯食ってますから」と語り、職場に急いだ。20代男性隊員は「危険な任務が増えるとしても、かえってやりがいが出てくる」と言い切った。

 法案が成立、施行されれば、地理的制約なしに米軍や他国軍への支援が可能になるなど、自衛隊の活動の幅は大きく広がる。江田島市の40代男性隊員は「入隊した約20年前には考えていなかった事態だが、世界情勢が変わり求められる役割も変わる」と冷静だ。

 一方で、任務の変化への懸念もある。同市の40代男性隊員は「武器使用の基準などにあいまいさを残さないでほしい。国民のために働いており、後ろ指をさされるようなことになってほしくない」。呉市の30代男性隊員は、安保協力をめぐる日米の捉え方に温度差を感じ、気に掛かるという。「各地で紛争が起き、力による封じ込めが難しくなっている。苦慮する米国から一線を越えた協力が求められた時、ノーと言えるのだろうか」と案じていた。

(2015年5月15日朝刊掲載)

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