×

ニュース

『フクシマとヒロシマ』 広島大など専門医常駐 福島第1原発

■記者 衣川圭

 政府の原子力災害対策本部は30日、緊急被曝医療の専門医を1日から福島第1原発に常駐させると発表した。事務局は広島大霞キャンパス(広島市南区)に設置。同大の救急医3人を含む全国の国立大などの医師が48時間交代で勤務する。

 広島大緊急被ばく医療推進センターは事務局として、放射線医学総合研究所(千葉市)と連携。医師の派遣計画の策定や、医療備品の整備などを担う。

 第1原発にはこれまで、産業医1人が常駐していた。今後は救急医が加わることで、常時2人体制で診療する。また今回新たに、救急医療室を開設し8台のベッドを用意。熱中症や脳卒中、心臓病などの急病、転落事故などに迅速に対応できるようになる。

 記者会見で細野豪志原発事故担当相は「医療の問題は政府の関与が必須。さらに充実した体制を考えていく」と述べた。男性看護師の派遣も準備。被曝線量は年間5ミリシーベルトを超えないようにするという。

 10、11日に現場入りする広島大病院高度救命救急センターの谷川攻一センター長は「けがや心臓疾患などをいち早く診断し、治療開始できるようになることは大きい。医師2人体制になると、作業者の安心感も増すだろう」と話している。

(2011年7月1日朝刊掲載)

年別アーカイブ