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上関原発 周辺市議会が意見書

「リスク大きい」 光は凍結求める

■記者 上木崇達

 山口県の上関町への原発建設計画について、光市議会は30日の本会議で凍結を求める意見書案を全会一致で可決した。近く二井関成知事に送付する。

 意見書は、上関町で原発事故が発生すれば「市民の背負うリスクは非常に大きい」と指摘。放射性廃棄物などの処理方法の確立と安全基準の見直し▽建設に周辺市町村の合意が必要とする法令整備▽新エネルギー開発の推進―を求め、これらの実現までの上関原発計画凍結を県から国に求めるよう要望している。

 市議全22人のうち、議長と、「自己都合」で欠席した1人を除く20人で採決し、全員が賛成した。同市は建設予定地から30キロ圏にあり、電源立地地域対策交付金の交付対象となっている。


安全性確保を強調 防府、新たな基準望む

■記者 山本祐司

 防府市議会は30日の本会議で原発建設計画に関する意見書案を賛成多数で可決した。山口県上関町への建設計画については「安全性が確保されるまで着工は到底容認できない」と指摘。原発の総点検やエネルギー基本計画の再検討などを求めている。二井関成知事と菅直人首相に送付する。

 同市は上関町の予定地から約50キロ。意見書は福島第1原発事故を踏まえ「大被害を受ける可能性は否定できない」とし、安全・安心が担保できる新たな安全基準をつくり、現存の原発の総点検を行う▽原子力依存の電力政策を見直し、自然エネルギーの積極導入などエネルギー基本計画を再検討する―ことを求めている。

 欠員2の全25人のうち、議長と欠席1人を除く23人で採決。21人が賛成した。共産党の2人が「上関原発への言及が足りず不十分」として賛成しなかった。


「慎重な対応を」 山口、風評被害防止も

■記者 山田英和

 山口県上関町への原発建設計画について、山口市議会は30日の本会議で、「慎重な対応」を国に求める意見書案を全会一致で可決した。二井関成知事、菅直人首相、衆参両院議長に送付する。

 意見書は国に4項目を要請。福島第1原発事故が周辺自治体の住民に過酷な被害をもたらしたとし、「山口市民にも他人事ではない。風評被害などにより地域経済が著しく低迷する事態も招いた」と指摘。原発の安全基準を見直して安心・安全対策を講じ、安全性が確認できるまで「上関原発計画については慎重な対応を求める」としている。

 福島の事故後に同市内の湯田温泉で宿泊キャンセルが相次いだことも踏まえ、風評被害や過度の自粛を防ぐ情報発信、観光振興策も求めている。

 議長を除く33人で採決し、全員が賛成した。

(2011年7月1日朝刊掲載)

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