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「原発の安全対策確立を」 広島市議会 上関に触れず

■記者 藤村潤平

 広島市議会(定数55)は30日、原発の安全対策の確立などを国に求める意見書案を賛成多数で可決した。多くの支持を集めるため、近隣の上関原発(山口県上関町)の建設計画には言及しなかった。

 福島第1原発事故の原因究明と原発安全対策への反映▽自然エネルギーを活用したシステムの導入拡大▽広島・長崎の被爆者の健康影響調査の結果を活用した被災者や作業員の健康管理―などを国に求めている。

 9会派のうち7会派の50人が賛成した。「脱原発」を主張する共産党の3人は「内容は不十分だが、方向性には反対しない」として採決時に退席した。

 意見書をまとめた市民連合の若林新三幹事長は、上関原発に触れなかった理由について「脱原発に否定的な議員や中国電力の労働組合などから支援を受けた議員もいる。可決を最優先した」としている。

(2011年7月1日朝刊掲載)

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