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平和首長会議が要請文 「削除の一文盛り込んで」 NPT素案「広島・長崎訪問」

 NPT再検討会議の最終文書の素案から政治指導者たちの被爆地訪問を呼び掛ける記述が削除された問題で、平和首長会議(会長・松井一実広島市長)は15日、文言の復活を要請する文書を再検討会議のタウス・フェルキ議長に送った。

 被爆地訪問は、政治指導者たちが核兵器の使用による壊滅的、人道的結末を心に刻み、廃絶へ向け協力すべきだという揺るぎない決意を固める機会になると指摘。「削除された一文を最終文書に盛り込むよう心から訴える」と記した。松井市長、長崎市の田上富久市長をはじめ、役員やリーダー都市の首長たち計24人の連名。

 また「この真摯(しんし)な訴えに、どの国の戦時中の行為をも正当化しようとする意図は一切ない」とも強調した。記述削除を働き掛けた中国の傅聡軍縮大使は、被爆地訪問要請の文案について「歴史を歪曲(わいきょく)するものだ」と述べていた。

 要請文はこの日、フェルキ議長宛てに電子メールで送信した。再検討会議会場の国連本部でも、広島平和文化センターの専門委員が各国政府代表たちに順次、配る。(岡田浩平)

(2015年5月16日朝刊掲載)

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