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年内に中東非核化会議 NPT第2委草案 根深い対立 実現に壁

 NPT再検討会議の第2委員会(不拡散)は15日、中東などの地域問題に特化した最終文書の草案を参加国に初めて配った。開催が遅れ、焦点になっている中東非核化に向けた国際会議について「全ての中東諸国が参加し、12月15日までに開催する」としている。 (ニューヨーク発 田中美千子)

 中東非核化は、NPTに非加盟で地域唯一の核兵器保有国とされるイスラエルの核放棄を念頭に置く。2010年の前回再検討会議で国際会議の12年開催に合意したが、中東諸国の対立は根深く、実現していない。いら立ちを募らせたアラブ諸国は今回、再検討会議終了から180日以内に国連事務総長が国際会議を開き、関係国に参加を呼び掛けるよう提案。第2委員会の補助機関で非公開協議を続けてきた。

 草案では、国際会議開催の期限を設けつつも、事務総長が「米国、ロシア、英国と協議」して開くよう言及。全ての中東諸国の出席を求める記述がある。国連外交筋によると、これらの手続きや表現ではイスラエルが拒否すれば実現の見通しが立たないなどの懸念があるとして、アラブ諸国が早くも不満の声を上げているという。18日からの会期最終週の交渉は難航しそうだ。

 草案はこのほか、北朝鮮問題を記載。06、09、13年の3回にわたる北朝鮮の核実験を非難し「全ての核兵器と現存する核計画を放棄し、早期にNPT(の枠組み)に戻るよう強く促す」とした。

(2015年5月17日朝刊掲載)

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