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平和への遺志継承誓う 広島 金子一士氏の追悼会

 1月に89歳で亡くなった広島県被団協の元理事長、金子一士氏を追悼する会が16日、広島市中区の広島国際会議場であった。金子氏と親交のあった被爆者団体の関係者たち約100人が別れを惜しんだ。

 「金子一士さんを偲(しの)び遺志をつぐ会」として、県被団協や県原水協の代表が呼び掛けた。全員で黙とうした後、吉岡幸雄副理事長が「平和への思いを引き継ぎ、遺志を継いでいくことを誓いたい」とあいさつ。金子氏の功績を映像で振り返り、参列者一人一人が、遺影を掲げた祭壇に花を手向けた。

 もう一つの県被団協の坪井直理事長(90)も参列。会の終了後、坪井理事長は「県被団協は二つだが、核兵器廃絶を願う気持ちは一つだった」としのんだ。

 金子氏は安芸区出身。19歳で入市被爆した。戦後は教職に就き、1993年から県被団協の理事長を務めていた。国内外で被爆体験の証言活動を続け、被爆者援護法制定を求める運動や原爆症認定集団訴訟などに尽力した。(和多正憲)

(2015年5月17日朝刊掲載)

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