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原発危険性や即時停止訴え

■記者 田中美千子

広島で京大・小出助教

 京都大原子炉実験所の小出裕章助教(61)が3日、広島市中区の中国新聞ホールで講演した。福島第1原発事故を受け、市民団体「原発はごめんだヒロシマ市民の会」と「カトリック正義と平和広島協議会」が主催。約600人が聞き入った。

 小出氏は、原発1基が年間に生成する放射性物質の量を図示し「広島に壊滅的な被害をもたらした原爆の千倍を超える」と強調。「危険だからこそ推進派は原発を都会につくらない」と指摘した。

 その上で福島第1原発事故が起きたプロセスを解説し、今なお危険な状態にある、との見方を示した。山口県上関町への原発建設計画については「今ある設備だけで電力供給に何ら支障がない」と必要性を否定した。

 小出氏は、原子力の平和利用を前向きに捉える発想を問題視。被爆地へのメッセージとして「英語では『核』と『原子力』は同じ言葉。核兵器は駄目で、原子力の平和利用なら問題ないとの主張は間違い」と訴えた。また、来場者との質疑で小出氏は「全ての原発は即刻、運転を止めるべきだ」と主張した。

(2011年7月4日朝刊掲載)

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