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ネパール地震 支援訴え 留学生が広島で報告会 「仮設住宅や医療 急務」

 ネパール大地震を受け、広島在住のネパール人留学生と市民で結成した支援団体「広島・ネパール アースクェイク・リリーフチーム」が、被災地に派遣した留学生による報告会を広島市中区で開いた。仮設住宅の建設や医療支援が届いておらず、急務だと訴えた。

 派遣したのは、鹿児島大医学部(鹿児島市)研究員で、カトマンズ出身の脳神経外科医マノズ・ボハラさん(31)。壊滅したカトマンズ市内や、脊髄損傷の患者を海外の支援チームが手術する様子を写真で示した。がれきの中から救出された乳児の笑顔を捉えた一枚に、「厳しい時も前向きに進まなければ。東日本大震災を経験した日本から学べることは多い」と声を詰まらせた。現地では仮設住宅が不足。「医療を受けても帰れる場所がない。リハビリ施設も重要」と訴えた。

 報告会には、医療関係者や留学生、1994年の広島アジア競技大会で「一館一国運動」を機にネパールと交流している五日市(佐伯区)の地区住民たち約30人が出席、意見交換した。

 同チームは募金をして、医療関係者やボランティアの派遣や支援物資購入に充てる。次の派遣要員として、広島大大学院医歯薬保健学研究科で脳神経外科学を学ぶマニス・コーラクシャパティさん(29)が31日から一時帰国する。「広島の人たちの温かい心が本当にありがたい」と話す。

 募金などの問い合わせは同チーム事務局のNPO法人ANT―HiroshimaTel082(502)6304。(金崎由美)

(2015年5月18日朝刊掲載)

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