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広島県 中国に協力要請 NPT最終文書案「被爆地訪問」復活へ

 NPT再検討会議の最終文書案から政治指導者らの被爆地訪問を呼び掛ける記述が削除された問題で、広島県は18日、削除を働き掛けた中国に文言復活への協力を求める習近平国家主席宛ての要請文を東京の在日中国大使館に届けた。

 県地域政策局の竹中正博局長が同大使館を訪れ、湯崎英彦知事名の要請文を公使参事官に手渡した。被爆地訪問の記述を「歴史を歪曲(わいきょく)するものだ」と中国が削除を求めたことについて、「被爆地訪問の呼び掛けは核兵器の悲惨さを広く世界に知ってもらうためで、『歴史の歪曲』とは全く別次元」と指摘している。

 さらに原爆資料館(広島市中区)を見学した米国と旧ソ連の元大統領が語った言葉を紹介し、訪問の意義を強調。「最終文書に文言を含める取り組みへの協力を強く要請する」とし、習主席も被爆地を訪れるよう呼び掛けている。

 県によると、公使参事官は「広島からの訪問を厳粛に受け止める。知事の要請については本国に伝える」と答えたという。(松本恭治)

(2015年5月19日朝刊掲載)

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