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被爆建物とアート響き合う 旧日銀支店で企画公募展へ 来月から一時休館 広島市現代美術館

 広島市現代美術館(広島市南区)は、空調設備の改修工事のため、6月1日から7月17日まで休館する。その間にある「ゲンビどこでも企画公募2015」展は、初めて中区の旧日本銀行広島支店を会場に開く。

 同展は、作家の育成などを目的に同館が2007年から毎年続け、ことしで9回目。絵画、立体、インスタレーション、映像、パフォーマンスなどジャンルを問わず、今回は、旧日銀広島支店1階を活用した作品のプランを募集した。全国から応募があった131点のうち特別審査員賞3点を含む入選9作品を6月6日から28日まで展示する。

 特別審査員賞を受けたプランは、長崎市に実在した「原子爆弾中心地」と書かれた矢印形の標識をモチーフにした、小田原のどかさん「→」▽空調設備をパイプなどで加工し、音を発する、今尾拓真さんの立体作品「work with #2(旧日本銀行広島支店)」▽旧日銀が建設される前の歴史に焦点を当てた、後藤靖香さんの「袋町カムパネルラ」。

 特別審査員は、美術プロジェクトや建築設計など多彩に活動するBankART1929代表の池田修さん、演出家で美術作家のやなぎみわさん、呉市出身の美術史家で明治学院大教授の山下裕二さんの3人が務めた。被爆70年の今回は、被爆建物でもある会場で空間と作品が互いに魅力を引き出し合うことが審査のポイントだったという。

 初日の6日午後2時から授賞式があり、2時半から池田さんと作家による公開プレゼンテーションがある。午前10時から午後5時まで。入場無料。会期中無休。(森田裕美)

(2015年5月20日朝刊掲載)

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