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初の核実験から60年 のセミパラへ 広島の若者訪問

■記者 岡田浩平

 広島市の市民団体が8月、旧ソ連の核実験場があったカザフスタン・セミパラチンスクを、現地学習のために訪れる。最初の核実験から60年にあたる来年、若者たちが開く国際会議の準備を兼ねており、国境を越えて平和を訴える若者の連携を深めようと意気込んでいる。

 計画しているのは、県内の大学で国際交流に携わる学生や、卒業した社会人ら13人でつくる国際交流支援団体「CANVaS(キャンバス)」。現地学習は昨夏に続き2回目で、8月15日から9日間、大学院生や高校生、指導役の元高校教員ら6人が訪問する。

 来年8月に予定する会議は、広島とセミパラチンスクの若者が原爆と核実験による被害について報告し合い、若者として何ができるかを考える。滞在中、会場や日程を詰める予定。廿日市市の高校に留学経験がある現地の大学生らにも協力してもらう。さらに核実験の被曝(ひばく)者を治療する病院も見学し、協力を求める。

 出発に先立ち、7月24日に市留学生会館(南区)で旧ソ連の核実験をテーマに開いた学習会には、現地を訪問する安田女子高(中区)1年二上真衣さん(15)と手島愛子さん(16)も出席。「核実験の被害を学び、広島の原爆と合わせて核兵器の恐ろしさ、平和の大切さを広めたい」と思いを新たにした。代表の会社員小麻野貴之さん(29)=安佐北区=は「核兵器廃絶へは若者の連携が欠かせない。核被害で共通するセミパラチンスクとの交流に力を入れたい」と意欲を見せている。

(2008年7月30日朝刊掲載)

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