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最終文書案 協議大詰め NPT会議 核軍縮めぐり溝深く

 米ニューヨークの国連本部で続く核拡散防止条約(NPT)再検討会議は19日、最終文書案のとりまとめに向け、関係国によるテーマごとの非公式会合が最大のヤマ場を迎えた。特に今後の核軍縮の方策をめぐって、「段階的」な手法を唱える核兵器保有国と、非合法化への前進にこだわる非保有国が互いに譲らない状態。会期末の22日までに合意できるかどうか、厳しさは増している。(ニューヨーク発 田中美千子)

 19日は全体会議を開き、主要3委員会の議長がそれぞれ経過報告した。いずれも文書に総意として合意できておらず、再検討会議のタウス・フェルキ議長は、合意に至るべく関係国で協議を続けるよう指示した。

 第1委員会(軍縮)の非公式会合は、核兵器保有5大国や日本、軍縮に熱心な非同盟諸国(NAM)の代表、新アジェンダ連合(NAC)の代表など約20カ国が参加。フェルキ議長も加わり、第1委が作った最終文書草案にある核兵器の非人道性や、核軍縮の停滞をめぐる記述などをめぐり、交渉を重ねているもようだ。草案には核兵器禁止条約など法的枠組み制定の検討を促した内容もあるが、外交筋は「対立構造が非常に深刻で、歩み寄りが見られない」と明かす。

 一方、各国の政治指導者たちに被爆地訪問を呼び掛ける内容を最終文書に盛り込むよう求める日本の主張には26カ国が支持。日本は、削除を働き掛けた中国と二国間協議を続けている。

 フェルキ議長は20日正午までに作業を終え、最終文書の起草を急ぎたい構え。ただ、いずれも折り合いがつくのか予断を許さない。

(2015年5月21日朝刊掲載)

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