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沸騰水型 見通せず 島根2号機 審査の長期化は必至

 四国電力伊方原発3号機は、原子力規制委員会が原発の新規制基準を満たしていると判断した3例目になる。いずれも加圧水型で、同じタイプの原発は今後、審査を終えるケースが増える可能性がある。これに対し、中国電力島根原発2号機など沸騰水型の審査の行方は見通せない。

 四国電は新基準が施行された2013年7月に審査を申請。規制委は75回の会合を経て、審査書案を了承した。審査の期間は1年10カ月だった。

 伊方3号機の審査書案について中電は「規制委が新基準に照らして判断した」とし、「引き続き島根2号機の審査に適切に対応していく」とコメントした。

 中電は四国電より5カ月遅い13年12月、島根2号機の審査を申請した。これまでに47回の審査会合があった。苅田知英社長は「着実に進んでいる」と話しつつ、審査終了や再稼働の時期は「残念ながら申し上げるのは難しい」と繰り返している。

 沸騰水型は福島第1原発と同じタイプ。事故時に放射性物質を薄めて外へ出すフィルター付き排気(ベント)設備の即時設置を義務付けられるなど審査内容は加圧水型に比べ幅広い。審査の期間が加圧水型よりもかなり長期化するのは間違いなさそうだ。(山瀬隆弘)

(2015年5月21日朝刊掲載)

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