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原爆の惨状 油絵で再現 基町高生 証言者招き披露

■記者 野田華奈子

 基町高(広島市中区)創造表現コースの2、3年生11人が、原爆投下後の惨状を被爆者から聞き取って描いた油絵が完成した。4日、同校であった披露会には記憶を語った被爆者5人が出席した。

 油絵(65センチ×53センチ)は計11点。生徒が昨年末から2、3人ずつ分かれ被爆者と面会し、半年かけて仕上げた。3年野邑遥香さん(17)は、14歳の時に東練兵場(現広島市東区)で被爆した国重昌弘さん(80)=佐伯区=の体験と向き合った。顔面に大やけどを負い、治すために両親に皮膚をむいてもらう光景をキャンバスにとどめた。

 披露会で野邑さんは「苦しみや怒りの表情を描くのに何度も話を聞いた。恐ろしさがより伝われば」。絵を前に国重さんは「当時の記憶そのまま。今後も証言活動を続けたい」と感謝した。

 原爆資料館(中区)が被爆証言活動を生かす取り組みとして2004年度から実施している。9日にある同校の文化祭で展示した後は、同館に保管する。

(2011年7月5日朝刊掲載)

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