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戦艦大和 引き揚げ目指す 自民有志、研究会発足へ

 呉市で建造され、東シナ海で沈んだ戦艦大和を日本の「産業遺産」と位置付け、将来の引き揚げを目指そうと、自民党の有志議員が調査研究会を発足させ、26日に初会合を開く。戦後70年を機に、水中調査や船体引き揚げに国の支援を求める提言を今国会中にまとめ、政府に提出する。

 趣意書では、大和は「明治以降の日本人の努力と失敗を省みる多方面の要素を内蔵している」と指摘。造船業など戦後の日本の産業発展に果たした役割や、戦争の歴史をたどることができる「財産」と強調した。船体の一部でも引き揚げられれば、それを活用して地域活性化にも貢献できるとした。

 研究会は中川俊直氏(広島4区)が呼び掛け、十数人が参加。中国地方では小林史明氏(同7区)、新谷正義氏(比例中国)が参加するという。

 今後、専門家から大和の歴史的、文化的意義や鹿児島県沖に沈む船体の状況を聞き、水中調査や引き揚げの費用などを検討する。初会合には大和ミュージアム(呉市)の戸高一成館長たちを招く。中川氏は「不戦の誓いを新たにするためにも大和に学ぶ意義は大きい。地元の声を大事にしながら動きたい」と強調する。

 大和の船体の一部引き揚げをめぐっては、呉市の経済界などでつくる準備委員会が2009年に発足したが、休止状態になっている。(城戸収)

(2015年5月22日朝刊掲載)

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