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原爆死没者 816人遺族待つ 広島市、名簿を全国発送

■記者 山本賢二朗

 広島市は8日、平和記念公園(中区)の原爆供養塔に納められている遺骨のうち、名前が判明しながら遺族が見つかっていない816人の名簿を全国に発送した。自治体の庁舎などで15日から10月31日まで張り出され、連絡を待つ。

 名簿は縦約100センチ、横約70センチのポスターに記されている。「遺族を捜しています」との大きな文字の下に、死没者の名前や住所、年齢のほか、当時の所属など判明している手掛かりを添えている。8日は3人の市職員がポスターを丁寧に封筒に入れた。全国の自治体に発送したが、東日本大震災で被災した福島、宮城、岩手の3県は県庁だけに送った。

 1985年に全国の自治体に発送を始めて以来、これまでに124人の遺骨が引き取られた。ただ、この1年間は遺族が見つかっていない。市原爆被害対策部の漆原正浩調査課長は「何とか遺骨が遺族のもとに戻ってほしい」と願っていた。

(2011年7月9日朝刊掲載)

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