×

ニュース

福山空襲の証言 今こそ 31日 霞学区 3人 次代に記憶伝える

 福山空襲の体験証言会が31日、福山市霞町4丁目の旧霞幼稚園である。霞学区で空襲に遭い、いまも暮らすお年寄り3人が語る。空襲から70年を機に、市人権平和資料館が企画した。(小林可奈)

 福山空襲は1945年8月8日夜、約1時間にわたってあった。市街地の約8割を焼き、354人が犠牲になった。市史によると、市中心部の霞学区では少なくとも69人が亡くなった。

 同学区の古野上町の近藤茂久さん(81)は「体験者が少なくなった今、伝えないといけない」と証言を引き受けた。小学生の孫がいる。「あんな悲惨な戦争を繰り返しちゃいけん」と力を込める。

 近藤さんは当時、霞国民学校(現霞小)の6年生。自宅にいた時に警報が鳴り、両親や妹たちと近くの防空壕(ごう)に逃げ込んだという。その防空壕に焼夷(しょうい)弾が転がってきた。必死で外に出たが、熱と火花で顔にやけどを負ったという。燃える民家や商店、泣きわめく子どもの様子が記憶に残っている。

 証言会は午前10時から約2時間。無料。道三町の木村滋さん(84)と、野上町の藤井弘一郎さん(77)も語る。木村さんは「二度と戦争をしてはいけないと伝えたい」。藤井さんは「子どもたちに、まずは戦時中のことを知ってほしい」と願う。同館Tel084(924)6789。

(2015年5月24日朝刊掲載)

年別アーカイブ