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ヒロシマ・アーカイブ完成 首都大東京 渡邉准教授

■記者 山本堅太郎

 ヒロシマの被爆者100人の証言と被爆地点などを立体地図上で紹介するサイト「ヒロシマ・アーカイブ」が完成した。制作した首都大東京の渡邉英徳准教授(36)が10日、広島市中区の原爆資料館で報告会を開いた。

 証言収録に協力した広島女学院高(中区)の生徒や市内の専門学校生、被爆者たち70人が出席。渡邉准教授は、被爆証言のほか、同資料館から提供を受けた被爆後の廃虚の写真150枚を示しながら「記憶と記録を次世代へつなぐコンテンツにしていく」と述べた。

 アーカイブはネット上の地図「グーグルアース」を使用。100人の顔写真を被爆地点にそれぞれ載せ、写真をクリックすると証言が表示される。現市街地での位置も確認できる。被爆後に廃虚と化した町の写真、「黒い雨」が降ったとされるエリアも分かる。

 動画で証言を寄せた廿日市市の柳川良子さん(82)は「天災は防げないが、戦争、人災は止めることができる。若い人が原爆の惨状を本気で後世に残そうとする姿勢がうれしい」と涙を浮かべた。

 渡邉准教授は今後、携帯電話でアーカイブを使用できるプログラムの開発も進める。ヒロシマ・アーカイブhttp://hiroshima.mapping.jp/

(2011年7月12日朝刊掲載)

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