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原爆の惨禍 次代につなぐ 御調高生 体験者招き「あの日」に思い 尾道

 被爆70年のことし、被爆者の体験を継承しようと、尾道市御調町の御調高の全校生徒178人が27日、町内の被爆者、被爆2世計7人を招いて、話を聞いた。同校が町原爆被害者協議会に協力を呼び掛けた。生徒は、平和への思いをつづった色紙でモザイクアートを作り、6月の文化祭で発表する。

 生徒は学年ごとに分かれ、教室や体育館で約30分間、体験などを聞いた。3年生に語った被爆者3人のうちの1人、道仲寿夫さん(85)は広島鉄道管理局(現JR西日本)の職員だった15歳の時、爆心地から約3キロの同局の建物で被爆した。

 原爆投下直後、近くの防空壕(ごう)から、真っ黒になった死体を運び出して焼いた時の光景を、今でも思い出すという。「目を覆いたくなるようなむごい状況だった。二度と経験したくない」と語った。

 全校生徒は、被爆体験などから感じたことを色紙に書き、モザイクアートを作る。6月12、13両日の文化祭で披露する。書道部と美術部の計14人は絵画や書などでも表現する。美術部の1年坂本優斗君(15)は「原爆の悲惨さが伝わる作品にしたい」と話していた。(新山京子)

(2015年5月28日朝刊掲載)

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