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米首都で20年ぶり原爆展 広島・長崎市 来月から 被爆者も派遣

 広島市は28日、米国の首都ワシントンで「ヒロシマ・ナガサキ原爆展」を20年ぶりに開くと正式発表した。長崎市などとの共催で6月13日から8月16日まで。犠牲者の遺品などを展示するほか、体験を証言する被爆者も派遣する。被爆70年の節目に合わせ、原爆の非人道性を核超大国の市民に伝える。

 会場は20年前と同じアメリカン大。付属の美術館に、焼け焦げた動員学徒の制服や帽子、熱線で変形したガラス瓶など25点の実物資料を並べる。やけどした被爆者や壊滅した市街地の写真が入ったパネル43枚も展示する。入場無料。

 市などの求めで東区の被爆者山本定男さん(83)が6月9~19日の日程で渡米し、同大や周辺の施設で全5回、被爆証言をする。原爆展会場ではまた、故丸木位里・俊夫妻が手掛けた「原爆の図」のうち6点を、所蔵する原爆の図丸木美術館(埼玉県東松山市)が展示する。

 ワシントンでは1995年、スミソニアン航空宇宙博物館が原爆展を企画したが、米国の退役軍人たちの反発で頓挫。これを受け、同年に広島、長崎両市がアメリカン大で原爆展を開いた。今秋にボストンのボストン大でも開く方向で調整している。(田中美千子)

(2015年5月29日朝刊掲載)

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