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ヒロシマ交響曲大阪フィル再演 被爆10年後に公演 市販音源なく 三原・12月 被爆70年で企画

 被爆10年後の1955年に広島市で関西交響楽団(現大阪フィルハーモニー交響楽団、大阪市西成区)が演奏した「交響曲第2番ヒロシマ」が12月6日、三原市芸術文化センターポポロで大阪フィルによって再演される。ポポロが被爆70年の節目に企画した、井上道義指揮の特別演奏会のプログラムに組み込んだ。

 交響曲第2番ヒロシマは、フィンランドの作曲家エルッキ・アールトネンが被爆地に思いを寄せて作った。55年に朝比奈隆指揮の関西交響楽団が広島市の市公会堂(現広島国際会議場、中区)で演奏したが、市販の音源はないという。

 大阪フィルの倉庫に当時の総譜が残っていたことが昨年、公になり、関係者から再演を望む声が高まっていた。総譜が残っていたことを知ったポポロの作田忠司館長が知人でもある井上に打診し、特別演奏会での披露が決まった。

 被爆地広島を題材にした楽曲の調査と活用に取り組む「ヒロシマと音楽」委員会(広島市中区)の能登原由美委員長によると、国内では55年に広島市と京都市であった演奏会を除き、演奏された記録はない。50年代に演奏されたフィンランドや東欧でも、60年代以降はほとんど演奏されていないという。能登原委員長は「重いテーマなどを理由に次第に忘れ去られていった曲。再演の実現は本当にうれしい」と話す。

 ポポロでの特別演奏会は、「大地讃頌(さんしょう)」の合唱、交響曲第2番ヒロシマと続き、ブルックナーの「交響曲第4番ロマンティック」で締めくくる。合唱は男声パート20人を一般から募る。特別演奏会の約1週間前から館内で総譜や関連資料の展示会も開く予定。作田館長は「多くの人が戦争や平和について考え直すきっかけにしたい」と話す。(鴻池尚)

(2015年5月29日朝刊掲載)

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