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新藤監督「一枚のハガキ」 核や原爆考えて 東京で試写会

■記者 山本洋子

 広島市佐伯区出身の新藤兼人監督(99)が「映画人生最後の作品」と位置づける「一枚のハガキ」の試写会が13日、東京・有楽町であった。一人の兵士の死による家族の崩壊と再生を描いた作品で、天皇陛下も来場して鑑賞された。

 試写会の前、新藤監督は満場の拍手の中、車いすで客席に登場。「映画監督の新藤兼人です。一緒にご鑑賞ください」とあいさつした。主演の一人、大竹しのぶさんは「監督を中心に懸命に作った。この映画を愛してもらえたらうれしい」と呼び掛けた。

 監督が呉海兵団時代に戦地に赴く友から見せられ、鮮烈に記憶に残っていたはがきから着想を得た。新藤監督は「核のことも、原爆のことも考えてもらいたい」とする。

 8月6日、広島市中区胡町の八丁座などで先行上映が始まり、13日から全国公開される。

(2011年7月14日朝刊掲載)

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