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被爆体験 募集せぬ方向 広島市平和宣言 懇談会スタイル踏襲

 広島市は、被爆70年の原爆の日に市長が読み上げる平和宣言の内容について、被爆者たちから意見を聞く懇談会の初会合を6月3日に市役所で開く。2011年からの松井一実市長1期目で取り組んだ、幅広い意見を宣言に反映させるスタイルを2期目も踏襲する。ただ被爆者から新たな体験談は募集しない方向だ。

 懇談会の人数は1期目の当初と同じ10人で、松井市長が座長を務める。広島県被団協の坪井直理事長たちが引き続き名を連ねる一方、広島平和文化センターの小溝泰義理事長や核戦争防止国際医師会議(IPPNW)日本支部の片岡勝子事務総長が加わった。

 初回は、4月に再選された松井市長が今期4年を見据えた平和宣言の考え方を説明。ことしの宣言で取り上げる被爆者の体験や核兵器をめぐる国際情勢などについて非公開で意見を交わす。7月上旬の次回で骨子案を、同中旬の第3回では文案を討議。その意見を参考に、松井市長が8月上旬までに起草する。

 松井市長の1期目は、被爆者の体験や平和への願いをつづった文章を公募。4年間で国内外から計218点が寄せられた。再選直後の先月14日の記者会見で、今期は被爆の実態を受け止めた市民に行動を促すメッセージを発信したい考えを示していた。(岡田浩平)

(2015年5月30日朝刊掲載)

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