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米工場 ラジウム被曝の実態 広島・横川シネマで上映へ

 約1世紀前に米国の工場で被曝(ひばく)した女性と、その街で暮らす人たちの姿を追ったドキュメンタリー映画「ラジウム・シティ」が6月8日から、広島市西区の横川シネマで上映される。

 1920年代に米ラジウム・ダイヤル社の工場で、時計に夜光塗料を塗る仕事に従事し、内部被曝した女性に焦点を当てたドキュメンタリー(87年製作)。被害者や家族、地元住民の証言から、気付かぬうちに体をむしばむ放射線被害や、企業、行政の隠蔽(いんぺい)体質など、現代の日本とも通じる問題点をあぶり出す。

 「100年前の話なのに身近に感じる。1600年というラジウムの半減期を考えると、奇妙な時間感覚に陥る」と配給を手掛ける映画評論家の樋口泰人さん。東日本大震災後、作家小林エリカとシンガーPhewが、本作に着想を得た音楽アルバムを発表したのを機に、日本公開が決まった。

 5日午後7時からは、横川シネマでPhewのライブと先行上映がある。同シネマTel082(231)1001。(余村泰樹)

(2015年5月30日朝刊掲載)

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