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原発5キロ圏住民へ ヨウ素剤事前配布 島根県、27日から

 島根県は2日、中国電力の島根原子力発電所(松江市鹿島町)の事故に備え、原発5キロ圏の住民約1万人への安定ヨウ素剤の事前配布を、27日から同町の一部地域で先行実施すると発表した。

 県医療政策課によると、5キロ圏全体への本格的な配布と説明は8月から。年内に全地域で配布と説明会開催を目指す。

 先行実施するのは、鹿島町御津、片句地区。3歳以上の計約800人が対象となる。県と松江市の主催で27日に御津公民館、28日に片句集会所でそれぞれ午前10時と午後2時半の2回、説明会を開く。

 医師の説明のほか、問診票を基にアレルギーの有無など、医師、薬剤師たちの確認のうえで安定ヨウ素剤の錠剤を手渡す。

 先行地域の配布状況を確認した上で8月以降、圏内を約20地区に分け、説明会を順次開く。3歳未満は説明会の対象外で、配布のめどは立っていない。

 安定ヨウ素剤は甲状腺被曝(ひばく)を防ぐ効果がある。5キロ圏の住民への配布は2014年度内を目標としていたが、医療関係者への説明などが間に合わずずれ込んでいた。5~30キロ圏の住民約38万4千人のうち、希望者への事前配布は、5キロ圏の終了後になる見通し。

(2015年6月3日朝刊掲載)

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