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『フクシマとヒロシマ』 「広島代表で健康守る」 原医研・神谷氏就任

■記者 河野揚

 広島大原爆放射線医科学研究所(原医研)の神谷研二所長(60)が15日、福島県立医科大(福島市)の副学長に就任した。福島第1原発事故を受けた福島県民の健康調査のため。原医研所長と兼務し、非常勤となる。辞令交付後、福島県庁で記者会見し「県民の健康を守るため、広島の代表として取り組む」と抱負を語った。

 副学長として、県立医科大が実施主体となっている県民健康管理調査の陣頭指揮や、放射線による中長期的な健康影響の研究などをする。任期は来年3月末までだが、更新の可能性もあるという。

 長崎大大学院医歯薬学総合研究科の山下俊一科長(59)も同時に副学長に就任した。山下氏は長崎大を休職し常勤。県立医科大の副学長は3人になる。

 2人はそろって記者会見。神谷氏は「ごくごく低線量であるため、健康影響の解明には先端科学による研究が必要」とし、放射線生物学の知見が生かせると強調。山下氏は「広島、長崎そして世界の英知を結集するべきだ」と述べた。

(2011年7月16日朝刊掲載)

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