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「原爆投下前」CGを上映 広島市中区で5~7日 映像作家田辺さん集大成

 原爆投下前の広島の町並みをコンピューターグラフィックス(CG)で再現してきた広島市西区の映像作家、田辺雅章さん(77)が17年間の制作活動の集大成となる記録映画を完成させた。5~7日、中区袋町の合人社ウェンディひと・まちプラザ(旧まちづくり市民交流プラザ)で無料上映会がある。

 「知られざるヒロシマの真実と原爆の実態」(62分)。県産業奨励館(現在の原爆ドーム)の東隣にあった自らの生家をはじめ、被爆前の営みをCGで精緻に描く。一転、被爆後の惨状は主に写真と絵で表す。被爆者の証言映像もある。

 4月には、米ニューヨークで国連に短縮版を寄贈した。原爆で父母と弟を失い、自らも入市被爆した田辺さんは「爆心地にいた人たちの顔が見え、息遣いが伝わるよう心掛けた。自分の身に置き換えて感じてほしい」と話している。

 上映会は田辺さんと賛同者でつくる「ヒロシマ70プロジェクト」と市の共催。5日の上映開始時間は午後2時と3時半、6、7両日は午前10時、午後1時、2時半。各回とも先着112人。申し込みは不要。市平和推進課Tel082(242)7831。(田中美千子)

(2015年6月3日朝刊掲載)

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