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レンズはとらえた戦後70年 高度経済成長と平和1955~56 現在に至る街の原型

 1954年12月から31カ月続いた大型景気は、戦後の日本が初めて経験する高度経済成長だった。白黒テレビ、洗濯機、冷蔵庫の「三種の神器」が普及し、市民の暮らしぶりは大幅に向上した。

 この景気は後に「神武景気」と名付けられ、経済大国日本への出発点となった。56年に経済企画庁が発表した経済白書(現経済財政白書)に記された「もはや戦後ではない」はあまりにも有名だ。

 広島市中心部も発展を遂げている。西練兵場跡(中区基町)に広島県庁の建物が完成し、そばの紙屋町交差点周辺には間もなく広島市民球場やバスセンターなどが姿を見せる。八丁堀交差点周辺も百貨店や銀行などのビルが立ち並び、現在の姿が形づくられた。

 原爆投下から10年、55年8月5日には平和記念公園に原爆供養塔が完成し、新たな祈りの場となった。翌6日には、市公会堂で「第1回原水爆禁止世界大会」が開かれ、ヒロシマの声が世界に発信された。(村上昭徳)

(2015年6月3日セレクト掲載)

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