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線量推定法で対立 原爆症認定の厚労省検討会 被爆者側が反発

■記者 岡田浩平

 厚生労働省の「原爆症認定制度の在り方に関する検討会」の第5回会議が15日省内であり、審査の現状について討議した。厚労省は認定率が低い旧基準で重用した被曝(ひばく)線量推定方式DS02を今も参考にしていると説明し、被爆者が反発した。

 委員の日本被団協の田中熙巳(てるみ)事務局長は、白内障や心筋梗塞が爆心地から1.5キロ以内で被爆した場合しか認定されていないと指摘。「残留放射線の影響をどう判断しているのか」とただした。

 これに対し同省の担当者は、認定の審査会ではDS02で算定した被曝線量を参考に示していると回答。田中氏は「DS02は初期の放射線量のみで残留放射線は判定できない」と反論したが、担当者らが「考慮している」と再反論、対立した。

 田中氏はまた、国が認定しない被爆者を原爆症と認めた司法判断を踏まえ、認定制度を改めるよう求めた。次回も現状認識をめぐり意見を交わす。

(2011年7月16日朝刊掲載)

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