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中電社員 設営手伝う エネ庁依頼 核ごみ処分説明会

 原発から出る核のごみ(高レベル放射性廃棄物)の最終処分場選定をめぐり、経済産業省資源エネルギー庁が中国地方の5県で開いた自治体向け説明会で、同庁が原発事業者の中国電力の社員に会場設営などの手伝いをさせていたことが3日、分かった。

 日程を含め説明会の開催自体を非公表とした上、許認可の権限のある同庁と電力会社の関係に、市民団体から批判が出ている。

 この日、中電島根原子力発電所が立地する松江市であった島根県内の自治体向け説明会には、中電島根支社(同市)から2人が参加。会場設営や質疑の際のマイク運びなどをした。

 同支社によると、同庁から依頼を受けたとし、3日の鳥取、2日までにあった広島、山口、岡山の各県の説明会でも社員が参加したという。

 エネ庁放射性廃棄物等対策室は依頼したことを認め、「もともとは電力会社のごみ。発生者責任がある。人が足りないところは手伝ってもらうし、汗をかいてもらう。他の電力会社も同じ」としている。

 この日、松江市での説明会開始前に、非公開での開催に抗議した市民団体「さよなら島根原発ネットワーク」の芦原康江事務局は「エネ庁の説明会を電力会社が手伝うのはおかしい」と指摘。「原発行政への疑念が強まるばかり。核のごみが適正に処分されるのか心配だ」と話している。(川井直哉)

(2015年6月4日朝刊掲載)

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