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核廃絶の指針を提言 広島市平和宣言 初会合で方針

 広島市は3日、市長が8月6日の平和記念式典で読み上げる平和宣言の文案を検討する「平和宣言に関する懇談会」の初会合を市役所で開いた。松井一実市長の2期目となる今後4年で、世界中の市民に向け、核兵器廃絶に取り組むための行動理念や指針を提言する方針を確認した。

 広島県被団協の坪井直理事長、広島平和文化センターの小溝泰義理事長たちメンバー全10人が出席した。座長である松井市長が2期目の平和宣言の考え方を説明。先月22日、核拡散防止条約(NPT)再検討会議が最終文書を採択できずに決裂した点に触れ「国家が相互不信、疑心暗鬼を克服できていない。暗闇から出るため前向きに取り組む精神が必要だ。今こそ行動理念を示したい」と述べた。

 一方、1期目では宣言に引用する被爆者の体験談を募ったが、今期は募集しない考えを伝えた。

 非公開の協議では、松井市長の方針に異論は出ず、出席者から「体験談は募らなくても被爆者の崇高な気持ちを盛り込んでほしい」「大事なのは個人が個人にどう伝えるか。『フェーストゥーフェース』をキーワードにしたい」などの意見が出たという。

 松井市長は意見を踏まえ、7月上旬の次回会合で骨子案を示す。3回目となる7月中旬の最終会合で文案を提示した上で、8月上旬までに自ら起草する。(田中美千子)

(2015年6月4日朝刊掲載)

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