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内部被曝症状「長期対応を」 原医研元所長講演 広島

■記者 村田拓也

 広島大原爆放射線医科学研究所(原医研)元所長の鎌田七男医師が17日、「ヒロシマとフクシマ」と題して広島市西区のいきいきプラザで講演した。福島第1原発事故を受けた独自の現地調査の結果を報告した。

 鎌田医師は5月、福島県飯舘村と川俣町で住民計15人の尿を検査し、全員から微量の放射性セシウムを検出した。線量が比較的高い人には地元産の野菜などを食べないよう助言したという。

 鎌田医師は内部被曝(ひばく)について「症状は直ちには出てこないが、将来はがん発症の可能性が懸念される」と説明。長期的な対応の重要性を説いた。

 福島第1原発事故は核戦争防止を訴えながら原子力発電は是認してきた自身の活動を振り返る契機にもなったという。「同じ核。自己矛盾を思い知った」と述懐した。

 講演会は市民団体の「西区9条の会連絡会」が設立3周年を記念して開き、約160人が参加した。

(2011年7月18日朝刊掲載)

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