×

ニュース

68ヵ国代表が出席 8・6式典概要 EU大使 初参列

■記者 藤村潤平

 広島市は19日、被爆66年となる8月6日の原爆死没者慰霊式・平和祈念式(平和記念式典)の概要を発表した。遺族代表は42都道府県から参列。海外は68カ国の代表と初めて欧州連合(EU)の大使が出席する。

 中区の平和記念公園で午前8時から45分間営む。原爆が落とされた8時15分、遺族代表のパート従業員中根しのぶさん(41)=安芸区=と、こども代表の中野小6年田中翔太君(11)=同=が「平和の鐘」をつき、全員で黙とう。4月に就任した松井一実市長が初めて平和宣言を読み上げる。

 子どもが慰霊と継承の思いを表す「平和への誓い」は、三篠小6年福原真拓君(11)=西区=と己斐小6年藤田菜乃歌さん(11)=同=が担当する。各都道府県の遺族代表の最高齢は82歳、最年少は21歳。平均年齢は66.9歳となっている。菅直人首相も出席する方向で調整している。

 市役所であった記者会見で遺族代表の中根さんは「原爆の犠牲者とともに震災の犠牲者の冥福も祈りたい」と話していた。

 市は今回、152カ国とEUに案内状を出した。EUのほか、グルジア、ネパール、ブルガリアなど5カ国が初出席となる。一方、昨年初めて出席した米国など12カ国からは19日時点で出欠の返事が届いておらず、過去最多の74カ国だった昨年を下回っている。

 式典が始まる直前に原爆慰霊碑にささげる献水は、新たに南区似島町の元陸軍検疫所跡の井戸から採水する。これまで南区での採水がなかったためで計17カ所となる。

(2011年7月20日朝刊掲載)

年別アーカイブ