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新交付金使途 ソフトも 山口県、期間延長とともに要望へ

 在日米軍再編で基地負担が増えるとして、政府が本年度から県に支払う新たな交付金をめぐり、県は8日、現在はハード事業に限定されている使い道のソフト事業への拡大と、交付期間の延長を求める方針を固めた。村岡嗣政知事が11日に関係省庁へ提出する、来年度の政府予算編成に向けた要望に盛り込む。

 新交付金は、航空機で40機、人員で千人を超えて増える防衛施設のある都道府県に支給する。本年度の支給は、2017年ごろまでに空母艦載機の移転が予定されている米海兵隊岩国基地(岩国市)を抱える山口県だけを対象にする。

 防衛省は新交付金の使い道を、住民生活の安全向上や防災、教育・スポーツ振興などにつながるハード事業に限定している。交付期間は当面2年と設定。延長は「地元の意向も踏まえて、財務省と折衝する」との立場だ。

 このため県は、住民生活の利便性向上や産業振興のため、ハード・ソフト両面から柔軟に対応できる制度が必要と主張。「基地が存在する限り地元の負担は続く」として、継続的な支援を要望する。

 新交付金は、県議会などが「5年間で100億円規模」での創設を政府に強く要請して実現した。県はこの金額の交付を前提に、岩国基地がある岩国市と周辺の和木、周防大島両町で、県道拡幅や河川の氾濫防止など計29事業を計画している。(村田拓也)

(2015年6月9日朝刊掲載)

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