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つなぐ~戦後70年 爆沈陸奥に平和誓う 周防大島で慰霊祭 犠牲者1121人追悼 山口

 太平洋戦争中の1943年6月8日、周防大島町沖で爆沈した旧海軍の戦艦陸奥の殉難将兵慰霊祭が8日、同町伊保田の陸奥記念公園であった。遺族や関係者約100人が参列。犠牲者1121人をしのび、平和への祈りをささげた。(久行大輝)

 主催した東和陸奥顕彰会副会長の岡村春雄・副町長が「不慮の事故で殉ぜられたことは痛恨の極み」と追悼の辞を述べた。雨の中、参列者は艦の写真が掲げられた慰霊碑に手を合わせ焼香。犠牲者の冥福を祈った。地元の油田地区吟詠友の会の会員8人が詩吟を披露した。

 遺族を代表して大野小郎副艦長の長男忠彦さん(85)=大阪府高槻市=は、長年にわたって慰霊祭を開く地元への感謝を伝え、「平和を守るためのさまざまなことが正しく継承されていきますように願う」とあいさつした。

 陸奥は伊保田沖約3キロで爆発し沈没した。慰霊碑を建立した「陸奥世話人会」の松林陽(きよし)さん(84)=伊保田=も参列。昨年、高校生に爆沈時の状況を説明した松林さんは「平和の大切さを後世につなげたい」と強調した。

(2015年6月9日朝刊掲載)

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