×

ニュース

NPT会議の活動報告 日本被団協 定期総会が開会

 日本被団協の定期総会が9日、2日間の日程で東京都内で始まった。地方組織の約100人が出席し、合意文書を採択できないまま5月に閉幕した核拡散防止条約(NPT)再検討会議や、現地に派遣した代表団の活動を振り返った。

 岩佐幹三代表委員(86)は「差別や病苦を乗り越えてきた被爆者の生きざまを世の中にぶつけ、原爆を知らない若い世代にも伝えていかなければいけない」とあいさつ。平均年齢が80歳に迫る被爆者とともに活動する市民を増やす必要性を訴えた。

 決裂した再検討会議について、田中熙巳(てるみ)事務局長(83)は「残念だ。私たちは5年後の次回会議まで待てない」と強調し、核兵器禁止条約の早期実現を求める取り組みを強化する考えを示した。

 被団協は今回、米ニューヨークに49人の代表団を派遣。総会では、会場となった国連本部での原爆展の開催や、現地での証言活動に関する報告もあった。

 最終日の10日には本年度の運動方針を決める。日本政府が同条約の締結を核兵器保有国に働き掛けるよう求める決議案や、安全保障法制の整備に反対する決議案を採択する見通しだ。(藤村潤平)

(2015年6月10日朝刊掲載)

年別アーカイブ