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被爆者向け健康DVD 広島県、9月から講演収録へ 病気の対処法など紹介

 広島県は本年度、被爆者を対象に、高齢になると発症しやすくなる病気やその対処法をまとめたDVDを初めて制作し、各市町に配る。被爆者の健康維持などを目的とした被爆70年事業の一環で、9月から県内各地で開く広島原爆被爆者援護事業団の鎌田七男理事長の講演会の様子を収録する。

 緑内障や脳梗塞、逆流性食道炎などを取り上げる予定。脳梗塞では「両手を前に上げると片方が下がる」などの症状を紹介し、発症時は救急車が到着するまで、まひした部位を上にして横になるなどの応急策を説明する。熱中症の予防策など日常生活の注意点や、被爆者が助成を受けられる介護サービスも案内する。

 9月から来年3月まで、呉、福山市や北広島町など県内7市2町で県が主催する鎌田理事長の講演会を撮影して作る。同様の講演会を昨年開いたところ、被爆者から「聴きたかったが会場まで行くのが難しかった」との声が相次いだため映像化する。DVDを200枚作り、県内の市町や原爆養護ホームに配る。事業費は1千万円。

 県内の2014年度末の被爆者健康手帳所持者は8万3367人。平均年齢は約80歳となっている。県被爆者支援課は「被爆者やその家族が、病気の症状について把握し健康を考える一助になれば」としている。(有岡英俊)

(2015年6月10日朝刊掲載)

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