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大竹の8・6追悼 平和式典実行委に市教委 被爆者高齢化で合同に

■記者 古市雅之

 大竹市原爆被爆者協議会が毎年8月6日に開いてきた原爆死没者追悼・平和祈念式典の実施主体が、ことしから協議会と市教委でつくる実行委員会に移る。被爆者の高齢化が進む中、協議会の単独主催では式典を続けることが難しいと判断。市教委が主体的に運営に関わることになった。

 式典は「大竹のヒロシマの日」として、同市立戸の総合市民会館敷地にある慰霊碑「叫魂(きょうこん)」前で実施している。被爆者や遺族、市内の児童、生徒が参加。原爆死没者名簿の奉納や黙とう、献花のほか、児童、生徒代表による平和の誓いなどがあり、市教委や各校も協力してきた。

 1960年ごろに2500人を超えた市内の被爆者は20日現在、972人。協議会会員の平均年齢が81歳を超え、式典運営を協議会だけで続けるのは困難となっていた。

 協議会の岩部守邦会長(89)は「式典を続けていくための判断であり、多くの人に参加してほしい」と期待する。市教委総務学事課は「被爆者が守ってきた灯を消すわけにはいかない。平和教育としての役割もある」としている。

 実行委には協議会、市教委の代表者に加え、市内の全小中高校の担当教諭が加わる。委員長は大竹小の梶原伸之校長が務める。ことしは従来の式次第を踏襲する。式典は83年に始まり、来年は節目の30回を迎える。その準備も進めるという。

(2011年7月21日朝刊掲載)

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