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新理事長に佐久間氏 広島県被団協 両団体統一探る

 広島県被団協は12日、広島市中区で総会を開き、1月に89歳で亡くなった金子一士前理事長の後任に、佐久間邦彦副理事長(70)を選んだ。佐久間氏は就任あいさつで、もう一つの県被団協(坪井直理事長)との統一の可能性を探る考えを表明した。

 両被団協は旧ソ連や中国の核実験などをめぐり原水爆禁止運動が分裂したのに歩調を合わせ、1964年から別々に活動。佐久間氏は金子氏が生前に両団体の統一を唱えていたとして「被爆者は高齢化したが、やるべき課題は多い。一つになればもっと力を発揮できるとの前理事長の提言に前向きに取り組みたい」と述べた。具体的に協議の場を設けたい意向も示した。

 総会には役員たち約70人が出席。核兵器禁止条約の実現に向けた署名集めの強化や、被爆者相談の広報充実など、本年度の活動方針を確認。集団的自衛権の行使など自衛隊の活動を拡大する安全保障関連法案に抗議し、撤回を求める特別決議も採択した。安倍晋三首相に宛てて、13日にも官邸へ郵送する。(田中美千子)

(2015年6月13日朝刊掲載)

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