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外国人観光増 広がる交流宿 相部屋で安いゲストハウス 広島市内に続々

 個人や少人数の旅行者が相部屋で安く宿泊できる「ゲストハウス」と呼ばれる施設が広島市内で増えている。2006年以降に次々開業し、現在は少なくとも8軒ある。年々増える外国人観光客の利用が多く、安さだけでなく旅行者同士で情報交換をしたり、地元住民と交流したりと、ホテルにはない魅力も受けている。(高田果歩)

 中区白島九軒町の築60年の2階建て民家を改装し、昨年6月に開業した「広島ゲストハウス碌(ろく)roku」。2段ベッドが4セットある相部屋が二つ、2人用の個室が一つあり、1泊2800~3500円。シャワーとトイレ、キッチンは共用で、食材を持ち込んで調理できる。

 宿泊客の6~7割が外国人で、欧州や米国、オーストラリアからが多い。宿泊客以外でも利用できるバーがあり、住民との交流の場にもなっている。

 スウェーデンから訪れた警備員ポンタス・レンディンさん(24)は「地元の人と交流でき、いい経験になった。また来たい」。オーナーの小林真子さん(30)は「欧米人には被爆地を一度は見ておきたいという人が多い。売り上げは目標以上」と明かす。

 各業者に聞き取りをしたところ、市内のゲストハウスは06年に1軒だったが、12~14年にJR広島駅や西広島駅近くに5軒が開業し現在は8軒に上る。

 市によると、04年に21万7千人だった外国人観光客数は、14年に過去最高の65万7千人を記録した。南区荒神町の「Hiroshima Hana Hostel」のマネジャー浜本佳奈さん(29)は「観光シーズン中は、ゲストハウスの数が足りていない。今後も開業が続くのでは」とみる。

 一方で、多くの外国人観光客は1、2泊程度で、日帰り客も少なくない。東区若草町の「Guest House Lappy」のオーナー三戸康子さん(49)は「広島に連泊してもらえるようなアイデアを考えたい」と強調。他のゲストハウスと連携した観光バスツアーなどの案を練る。

ゲストハウス
 素泊まり、相部屋が基本の安価な簡易宿泊施設。観光地に立地し、主に個人旅行者が利用する。ユースホステルのような会員制は取っておらず、日本ユースホステル協会などの上部組織もないという。各ゲストハウスが自由に運営。全国的に増加傾向にある。

(2015年6月13日朝刊掲載)

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