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放射性廃棄物 どう処理 広島でシンポ 地層処分など討議

 原子力発電所の運転に伴って発生する高レベル放射性廃棄物の処理方法をテーマにしたシンポジウムが13日、広島市中区であった。地下300メートル以上に埋設する地層処分を目指す原子力発電環境整備機構(NUMO、東京)などが主催し、約170人が参加した。

 NUMOの近藤駿介理事長と学識者たち計4人がパネル討議で意見交換した。地層処分の安全性について、近藤理事長は「放射能は千年で千分の1に減る」と理解を求めた。福島工業高専の佐藤正知特命教授は「活断層と十分な距離を取って埋めれば放射能を閉じ込められる」との見解を示した。

 一方で、最終処分地選定の課題も議論になった。国の担当者が、従来の自治体による応募から、国が候補地を示す方式に変えた5月の方針を説明。大阪大の八木絵香准教授は「候補になった地域で賛否が割れ、禍根を残すのでは」と問題提起した。

 討議に先立ち、経済産業省の原子力小委員会委員で元防衛相の森本敏氏の講演もあった。原発稼働の必要性を説いた。(樋口浩二)

(2015年6月14日朝刊掲載)

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