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核廃絶 私たちの世代で 高校生平和大使 広島で研修 証言聴き資料館へ

 国内外で核兵器廃絶を訴える本年度の「高校生平和大使」の研修が13日、広島市中区であった。全国から選ばれた22人が被爆者の証言を聴き、原爆資料館などを見学。被爆70年の節目に平和への思いを新たにした。(和多正憲)

 JMSアステールプラザでの研修に、広島、長崎両県の各2人のほか、14都道府県から15~17歳の男女が参加。原爆投下時に16歳だった柳川良子さん(85)=廿日市市=の話に耳を傾けた。

 爆心地から約1・7キロの女学校で被爆した柳川さんは、焼け野原で家族を捜し続けた当時を振り返った。「父は70年経た今も見つからない。核と人類は共存できないというヒロシマの心を伝えてほしい」と呼び掛けた。

 その後、一行は原爆慰霊碑に花を手向け、原爆資料館を訪問した。北海道の藤女子高2年木根菜恵子さん(16)=千歳市=は涙ぐみながら「胸が締め付けられた。私たちの世代で世界から核兵器をなくしたい」と力を込めた。

 平和大使は広島、長崎両市が拠点の市民団体が全国から公募。22人は14日に同区である結団式で就任する。8月にスイス・ジュネーブの国連欧州本部を訪れるほか、核兵器廃絶を求める署名活動などにも取り組む。

(2015年6月14日朝刊掲載)

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